心アミロイドーシスの診断 心アミロイドーシスを疑う病歴、症状、身体所見

心アミロイドーシスと診断するには、まず患者の病歴や症状、身体所見から「心アミロイドーシス」を疑うことが重要です。アミロイドーシスは全身性疾患であり、心臓所見以外にもさまざまな所見があり、これを見逃さないことが重要です。

ATTRvアミロイドーシスでは、ポリニューロパチー、自律神経症状/消化器症状、手根管症候群、心症状、腎症状、眼症状など多様な全身諸臓器の症状を呈します^1,2,3。

心血管系の症候としては、早期より自律神経障害による起立性低血圧や、心臓へのアミロイド沈着による房室ブロック、洞不全症候群、心房細動などの不整脈が生じます^4,5。心筋へのアミロイド沈着により心不全を生じ、心室の拡張障害が収縮障害に先行すると考えられています。

ATTRvアミロイドーシスの
多様な全身症状

原因不明の心不全や心肥大を認める患者では、ATTRvアミロイドーシスを疑わせる全身症状がないか、注意深く診察を行う必要がある。

引用文献

1. 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 アミロイドーシスに関する調査研究班. アミロイドーシス診療ガイドライン2010. 2010.
   http://amyloidosis-research-committee.jp/wp-content/uploads/2018/02/guideline2010.pdf
2. 安東 由喜雄 監修. 最新 アミロイドーシスのすべて. 第1版. 東京: 医歯薬出版; 2017.
3. Sekijima Y, Ueda M, Koike H, et al. Orphanet J Rare Dis. 2018;13(1):6.
4. Rapezzi C, Quarta CC, Obici L, et al. Eur Heart J. 2013;34(7):520-528.
5. Maurer MS, Hanna M, Grogan M, et al. J Am Coll Cardiol. 2016;68(2):161-172.

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