監修
安東 由喜雄 先生

(長崎国際大学 学長、長崎国際大学薬学部アミロイドーシス病態解析学分野 教授、熊本大学 名誉教授)

遺伝性ATTRアミロイドーシス(FAP) 疾患名称について

ATTRアミロイドーシスは、TTRを前駆タンパク質とするアミロイドーシスの総称であり、TTR遺伝子変異に起因する遺伝性ATTRアミロイドーシス(FAP)と、遺伝的背景を伴わず加齢などによって野生型TTRがアミロイド化し、臓器障害を起こす野生型ATTRアミロイドーシスの二つに大別されます。

遺伝性のものは、ポリニューロパチーや心症状(心筋症や不整脈など)などが主体に認められ、野生型は、心症状に加えて手根管症候群などの整形外科疾患、小径線維ニューロパチーなどを生じることがあります。

ATTRアミロイドーシスは、TTRを前駆タンパク質とするアミロイドーシスの総称であり、TTR遺伝子変異に起因する遺伝性ATTRアミロイドーシス(FAP)と、遺伝的背景を伴わず加齢などによって野生型TTRがアミロイド化し、臓器障害を起こす野生型ATTRアミロイドーシスの二つに大別されます。

TTR遺伝子変異に起因するアミロイドーシスは、「トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP: Familial Amyloid Polyneuropathy)」や「ATTRm(“m”=mutant) amyloidosis」、「hATTR(“h”=hereditary) amyloidosis」などと呼ばれています。

しかし近年、国際アミロイドーシス学会(ISA:International Society of Amyloidosis)は、「家族性」よりも「遺伝性」という名称を用い、TTR遺伝子変異に起因するアミロイドーシスを「遺伝性ATTR(ATTRv、“v”=variant)アミロイドーシス」と呼ぶことを推奨しています1

引用文献

  1. Benson MD, Buxbaum JN, Eisenberg DS, et al. Amyloid. 2018;25:215-219.