- 監修
- 安東 由喜雄 先生
(医療法人 杉村会 杉村病院 総長アミロイドーシス診療・研究サポートセンター長、長崎国際大学 薬学部 アミロイドーシス病態解析学寄付研究所特任教授、熊本大学名誉教授)
アミロイドーシス アミロイドーシスとは
タンパク質の機能と構造の間には非常に重要な関連性があり、タンパク質がその機能を正しく発揮するためには、それに適した形(立体構造)に折りたたまれる必要があります。タンパク質が特定の立体構造に折りたたまれる現象は“フォールディング”ともよばれます。タンパク質の折りたたみが適切でなければ、そのタンパク質は正常に機能せず、様々な疾患の原因となり得ることが知られています。
アミロイドーシスとは、折りたたみに異常があるタンパク質(アミロイド)や部分的に分解されたタンパク質がアミロイド線維を形成して分解抵抗性を示すようになり、通常の代謝を受けて排泄されず、体内の様々な組織や臓器の細胞外間質に沈着・蓄積することで臓器障害を引き起こす疾患群の総称です1。
アミロイドーシスを未治療のまま放置すると生命が脅かされるため、確実な早期診断と適切な治療が転帰を改善するために重要となります。
アミロイドの前駆タンパク質
アミロイドは、これを形成する前駆タンパク質に応じて分類されます。
頭の“A”はアミロイドを意味し、そのあとに関連する前駆タンパク質の略号が続きます。例えば、ATTRアミロイドーシスの場合、トランスサイレチン(TTR)由来のアミロイドを指します。
引用文献
- Benson MD, Buxbaum JN, Eisenberg DS, et al. Amyloid. 2018;25:215-219.