- 監修
- 関島 良樹 先生
(信州大学医学部 神経内科、リウマチ・膠原病内科 教授)
消化管/自律神経 シェロング試験
自律神経機能を評価します。
概要
自律神経障害があると、立位時の血圧低下を代償できない場合に起立性低血圧が生じます。
仰臥位または坐位で血圧・脈拍を測定し、その後起立して血圧・脈拍を測定します。
一般に、起立性低血圧の診断には能動的立位5分間が推奨されていますが、約3分間の起立で起立性低血圧の約90%が診断可能とされています1。
主な所見
起立時の血圧低下
- <診断基準1>
-
- 起立後3分以内に収縮期血圧20mmHg以上低下または収縮期血圧の絶対値が90mmHg未満に低下
- 拡張期血圧10mmHg以上低下
評価上のポイント
-
加齢とともに低血圧に伴う虚血性臓器障害が出現しやすくなり、起立性低血圧症例では死亡率が増加します1,2。
-
起立性低血圧症例では脳卒中発症率3や虚血性心疾患発症率4が増加します。
引用文献
- 日本循環器学会. 失神の診断・治療ガイドライン(2012年改訂版) https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/02/JCS2012_inoue_h.pdf(2021年12月閲覧)
- Masaki KH, Schatz IJ, Burchfiel CM, et al. Circulation. 1998;98(21):2290-2295.
- Hossain M, Ooi WL, Lipsitz LA. J Clin Epidemiol. 2001;54(5):488-494.
- Luukinen H, Koski K, Laippala P, et al. J Intern Med. 2004;255(4):486-493.