- 監修
- 関島 良樹 先生
(信州大学医学部 神経内科、リウマチ・膠原病内科 教授)
心臓 99mTcピロリン酸シンチグラフィ
ATTR心アミロイドーシスの検出のために用いられます。
概要
99mTc ピロリン酸の心臓集積が認められます。
主な所見1
日本循環器学会. 2020年版 心アミロイドーシス診療ガイドライン
https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/02/JCS2020_Kitaoka.pdf(2021年12月閲覧)
評価上のポイント
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プラナー撮影にSPECT撮影を追加することで、心筋や血液プールへの集積をより正確に評価することができます1。
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99mTcピロリン酸の心筋集積の程度と予後との関連も明らかとなっており、H/CL比>1.6は独立した予後不良因子とされています1,2。
参考情報
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ピロリン酸は、カルシウムに親和性を有する物質であり、骨シンチグラフィのトレーサーとして用いられています3。
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99mTcピロリン酸は心筋壊死部位に集積が認められ、以前は心筋梗塞の存在や部位を確認するために使用されていました3。
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ATTR心アミロイドーシスにおけるピロリン酸を含む骨トレーサーの集積機序は現時点では不明ですが、カルシウム介在性(アミロイド沈着に伴い心筋障害が生じ、カルシウムが沈着した部位に骨トレーサーが結合)のメカニズムが推察されています1。
引用文献
- 日本循環器学会. 2020年版 心アミロイドーシス診療ガイドライン https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/02/JCS2020_Kitaoka.pdf(2021年12月閲覧)
- Castano A, Haq M, Narotsky DL, et al. JAMA Cardiol. 2016;1(8):880-889.
- 田原宣広, 緒方詔子, 戸次宗久ほか. Heart View. 2020;24(11):1042-1047