- 監修
- 関島 良樹 先生
(信州大学医学部 神経内科、リウマチ・膠原病内科 教授)
心臓 CT検査:遅延造影CT、CT-ECV
- 遅延造影CT
- 心筋線維化を評価します。
- CT-ECV
- 心筋のアミロイド沈着とダメージを評価します。
概要
心臓MRIの代替手段として、MRIの実施が困難な心不全症例やデバイス挿入後の症例、ガドリニウム造影剤が使用できない透析中の症例にも安全に実施できます1。
主な所見1
左室内膜下優位のびまん性遅延造影
進行すると貫壁性の遅延造影
CT-ECVの異常高値(≧35~40%)
参考情報
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eGFR 45mL/min/1.73m2未満の患者において造影CTで造影剤腎症を発症する可能性は非常に低いこと、さらに、eGFR 30mL/min/1.73m2未満の患者においても、造影CTは造影剤腎症だけでなく、30日以内の透析導入や死亡のリスクとならないことが報告されています。こうした報告から、腎障害患者において造影CTによる造影剤腎症のリスクは非常に低いと考えられています2 。
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ただし、エビデンスが十分とは言い難いため、「腎障害患者におけるヨード造影剤使用に関するガイドライン2018」では、eGFR 30mL/min/1.73m2未満の患者に造影CTを行う際は、必要に応じて造影剤腎症のリスクなどを説明し、適切な予防策を講ずることが推奨されています3。
引用文献
- 日本循環器学会. 2020年版 心アミロイドーシス診療ガイドライン https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/02/JCS2020_Kitaoka.pdf(2021年12月閲覧)
- McDonald JS, McDonald RJ, Lieske JC, et al. Mayo Clin Proc. 2015;90(8):1046-1053.
- 日本腎臓学会, 日本医学放射線学会, 日本循環器学会 共編. 日腎会誌. 2019;61(7):933‒1081. (腎障害患者におけるヨード造影剤使用に関するガイドライン2018)