監修
北岡 裕章 先生

(高知大学医学部老年病・循環器内科学 教授)

心アミロイドーシスの治療 ATTRvアミロイドーシスに対する治療

ATTRvアミロイドーシスに対する疾患修飾療法としては、肝移植、トランスサイレチン(TTR)四量体安定化薬、遺伝子治療薬の有効性が証明されています。

ATTRアミロイドの形成機序および現在わが国で認可されている疾患修飾療法の作用機序を示します。

各治療法については、治療のページを参照ください。

ATTRアミロイドの形成機序およびわが国で認可されている
疾患修飾療法の作用機序

ATTRアミロイドの形成機序およびわが国で認可されている疾患修飾療法の作用機序 ATTRアミロイドの形成機序およびわが国で認可されている疾患修飾療法の作用機序
(注) パチシランの承認された効能又は効果:トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー

ATTRvアミロイドーシスのニューロパチーおよび心筋症に対する疾患修飾療法の推奨とエビデンスレベルは、以下の通りです。

ATTRv アミロイドーシスのニューロパチーおよび心筋症に対する疾患修飾療法の推奨とエビデンスレベル*

  推奨
クラス
エビデンス
レベル
  Minds
推奨
グレード
Minds
エビデンス
分類
肝移植 I C   B IVb
ニューロパチーに対するタファミジス I B   B II
ニューロパチーに対するパチシラン I B   B II
NYHA Class I/II で日本循環器学会ステートメントの患者要件に合致したATTRv心アミロイドーシスに対するタファミジス** IIa B   B II
NYHA Class III で日本循環器学会ステートメントの患者要件に合致したATTRv心アミロイドーシスに対するタファミジス** IIb B   B II

タファミジスは、ニューロパチーに対しては20mg、心アミロイドーシスには80mg(忍容性がない場合は減量できる)を投与する。

* 個々の患者の治療選択に関しては表33参照
** ATTRv心アミロイドーシスに対するタファミジスの適応に関しては、ATTRwtアミロイドーシスの項も参照。
(注) 上記の表にある注記の内容につきましては「2020年版 心アミロイドーシス診療ガイドライン」をご参照ください。