- 監修
- 関島 良樹 先生
(信州大学医学部 神経内科、リウマチ・膠原病内科 教授)
前駆タンパク質 血液検査:トランスサイレチン(プレアルブミン)
ATTRアミロイドの前駆タンパク質の産生抑制を評価します。
概要1,2
肝臓、脳脈絡叢、網膜、膵α細胞で産生されます。
半減期1.9日の血漿タンパク質の1つです。
栄養指標の1つとしても活用されます。
通常は、四量体を形成し、サイロキシン(T4)およびレチノール結合タンパク質を介したビタミンAの輸送に関与します。
遺伝性ATTRアミロイドーシス(FAP)および野生型ATTRアミロイドーシスの原因タンパク質となります。
評価頻度(目安)
ベースライン時、その後は3ヵ月に1回(パチシラン導入後であれば、初回投与後に評価することが好ましい)
評価上のポイント
パチシランを投与すると血清中トランスサイレチン(TTR)濃度は低下します。APOLLO試験のパチシラン群における18ヵ月間の血清中TTR濃度の低下率中央値は81%(範囲:-38~95)でした3。
参考情報
通常は、血中に約20~40mg/dLの濃度で存在します1。
日本人の遺伝性ATTRアミロイドーシス(FAP)患者(V30M型)10例の検討では、血清中TTR濃度(平均値±SD)は15.85±5.12mg/dLであったことが報告されています4。
引用文献
- 安東由喜雄. 臨床化学. 2008;37(4):375-382.
- 安東由喜雄 監修. 最新 アミロイドーシスのすべて. 第1版. 東京: 医歯薬出版株式会社; 2017.
- Adams D, Gonzalez-Duarte A, O'Riordan WD, et al. N Engl J Med. 2018;379(1):11-21. (本試験はAlnylam Pharmaceuticalsの支援により実施された)
- Sekijima Y, Tokuda T, Kametani F, et al. Amyloid. 2001;8(4):257-262.