監修
関島 良樹 先生
(信州大学医学部 神経内科、リウマチ・膠原病内科 教授)

身体機能 6分間歩行試験

運動耐容能を評価します。

概要

  • 最大努力による6分間歩行距離(6-minute walk distance:6MWD)を測定する最大負荷試験です。

  • 6分間可能な限り速く歩行して、その距離を測定します。

主な所見

  • 歩行距離の低下

評価頻度(目安)

  • ベースライン時、その後は6ヵ月に1回

評価上のポイント

  • 病期の進行とともに6分間歩行距離が短縮したことが報告されていま1

遺伝性ATTRアミロイドーシス(FAP)患者における6MWTと身体機能の関係(海外データ)1

遺伝性ATTRアミロイドーシス(FAP)患者における6MWTと身体機能の関係(海外データ)
対象・方法
遺伝性ATTRアミロイドーシス(FAP)患者20例を対象に、6分間歩行試験(6MWT)での距離(m)とFAPステージ、PNDスコアの関係についてスピアマンの相関を検討した。

参考情報

  • 2002年の米国胸部医学会(ATS)によるガイドラインでは、歩行路は30mの平坦な直線コースを折り返して使用すること、対象者には「6分間にできるだけ長い距離を歩く」ように説明し、テスト中は6分間に何度休憩してもよいことを伝えること、検査者は付き添って歩かないこと、声掛けは1分ごとに決まった内容を伝えること、などが提案されていま2

  • スポーツ庁の「令和元年度 体力・運動能力調査報告書」における65~79歳の6分間歩行試験の結果は以下の通りで3

6分間歩行(m)3

年齢 男性 女性
n 平均値 標準偏差 n 平均値 標準偏差
65~69歳 940 635.09 89.22 940 597.78 68.57
70~74歳 940 616.64 85.55 940 575.88 72.05
75~79歳 912 589.01 88.99 940 550.55 74.87
調査実施期間
令和元年5月~10月

引用文献

  1. Reprinted from Neuromuscul Disord., 29(3), Martinez-Naharro A, Treibel TA, Abdel-Gadir A, et al., 6MWT performance correlates with peripheral neuropathy but not with cardiac involvement in patients with hereditary transthyretin amyloidosis (hATTR), 213-220, ©2018, with permission from Elsevier.
  2. ATS Committee on Proficiency Standards for Clinical Pulmonary Function Laboratories. Am J Respir Crit Care Med. 2002;166(1):111-117.
  3. スポーツ庁. 令和元年度体力・運動能力調査結果の概要及び報告書について. https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/toukei/chousa04/tairyoku/kekka/k_detail/1421920_00001.htm(2021年12月閲覧)