- 監修
- 関島 良樹 先生
(信州大学医学部 神経内科、リウマチ・膠原病内科 教授)
眼 視野検査、眼圧検査、眼底検査
- 視野検査
- 正面を見ているときの視界の広さと、光を感じる力を評価します。
- 眼圧検査
- 眼圧を評価します。
- 眼底検査
- 硝子体や目の奥にある網膜や視神経乳頭などを評価します。
主な所見1
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- 硝子体混濁
- 初期は飛蚊症を自覚し、増加すると霧視を伴う重篤な視機能障害に至ります。また、眼底の観察が困難になり、緑内障管理などの診療にも支障をきたすようになります。
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- 緑内障
- 硝子体混濁が先行することが多いとされますが、緑内障が先行し、末期に至るまで無症状であることもあります1。
評価頻度(目安)
ベースライン時、その後は12ヵ月に1回(ただし、緑内障がある場合は3ヵ月に1回、緑内障以外の眼アミロイドーシスがある場合は6ヵ月に1回評価することが好ましい)
評価上のポイント1
異型TTRは、網膜色素上皮や毛様体上皮からも産生されます。異型TTRはアミロイドを形成し、眼内に貯留し、様々な眼合併症を起こします。
主な合併症としては、結膜血管異常、瞳孔異常、乾性角結膜炎、硝子体混濁、緑内障などがあります1。
中でも、硝子体混濁と緑内障は重篤な視力低下を引き起こし、特に緑内障は不可逆的疾患であり、光覚が消失する場合もあり得る重篤な合併症です。
参考情報2
遺伝性ATTRアミロイドーシス(FAP)患者54例の108眼を対象に検討したところ、13例(24%)に眼症状があったとの報告があります。その内訳は、硝子体へのアミロイド沈着(100%)、緑内障(19%)、網膜血管の蛇行(15%)、神経栄養性角膜炎(8%)であり、「女性」と「視力低下」が眼アミロイドと関連していました。
引用文献
- 安東由喜雄 監修. 最新 アミロイドーシスのすべて. 第1版. 東京: 医歯薬出版; 2017:77-79.
- Reynolds MM, Veverka KK, Gertz MA, et al. Am J Ophthalmol. 2017;183:156-162.