- 監修
- 関島 良樹 先生
(信州大学医学部 神経内科、リウマチ・膠原病内科 教授)
手根管/脊柱管 X線検査、CT検査、MRI検査
腰部脊柱管狭窄症の補助診断として利用されます。
主な所見
<診断基準(案)1>
①
殿部から下腿の疼痛やしびれを有する
②
殿部から下腿の症状は、立位や歩行の持続によって出現あるいは増悪し、前屈や座位保持で軽減する
③
腰痛の有無は問わない
④
臨床所見を説明できるMRIなどの画像で変性狭窄所見が存在する
参考情報
腰部脊柱管狭窄症の画像診断には非侵襲的なMRIが最適とされます。ただし、MRIを含む各種画像所見は必ずしも症候性を意味しません。腰部脊柱管狭窄症の診断で最も大切なのは、臨床症状や身体所見とされます1。
単純X線像で脊柱管狭窄症を評価することは困難です1。
CT検査はMRIが禁忌の患者、MRI所見が確定診断に至らない患者、脊髄造影や脊髄造影後CT(CTM)ができない患者では有用な検査法とされます1。
腰部脊柱管狭窄症の手術を行なった患者26例について手術時に得た検体を検討したところ、21例でアミロイドの沈着が認められ、そのうち、免疫化学染色が可能であった15例中5例にTTR抗体の陽性反応が認められたとの報告があります2。
遺伝性ATTRアミロイドーシス(FAP)で、特に家族歴が明らかでない症例は、病初期に脊柱管狭窄症や慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)、糖尿病性ニューロパチーなどと誤診されることがあります3。
引用文献
- 日本整形外科学会, 日本脊椎脊髄病学会 監修. 腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2021. 改訂第2版. 東京: 南江堂; 2021.
- Westermark P, Westermark GT, Suhr OB, et al. Ups J Med Sci. 2014;119(3):223-228.
- 日本循環器学会. 2020年版 心アミロイドーシス診療ガイドライン https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/02/JCS2020_Kitaoka.pdf(2021年12月閲覧)